2024年10月、今後のことについて / About my plans, October 2024 by Tomoaki Hashimoto

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前回、前々回と、モザンビークでの私の事業・人生についてアップデートした。
そして、今日は今後のことについて。

これまで、モザンビークでの取り組みや、これからの展望を語ってきた中で、
突然、言いづらいところもあるのだが、、
結論から言おう。
年内にモザンビークを去ります!

モザンビーク、ポンタ・ド・オウロのビーチ。Beach in Ponta do Ouro, Mozambique.

理由は、妻と一緒に住むため。
妻は6月からアゼルバイジャン・バクーで仕事を始めた。
なので私も、バクーに移住することにした。

夫婦でモザンビークで暮らす、ということもずっと模索してきたが、妻の仕事が見つからなかった。
そもそもモザンビークに来たのも、妻と一緒に住むためだった。
そして私がナマーシャで農業を始め、妻がモザンビークでの仕事の任期を終えても、自分はモザンビークに一人で残るという選択をした。
以前も書いたが、妻のその時の赴任地はミャンマーで、そもそも私は同伴できないという事情もあった。
ミャンマーでの任期を終えた妻はモザンビークに半年滞在しながら、モザンビークでの仕事をさがしたが、それがうまくいかず、バクーでの仕事を掴んだ。

モザンビークを去ることは、大変悩んだ。
当初の計画では、今作っている野菜だけではなく、フルーツやコーヒーも一緒に生産する、パーマカルチャー・農業プロジェクトの確立を目指していた。
単身でのモザンビーク生活は、面白いし、楽しい部分もあるものの、やはり寂しかった。そして、妻の新しい任地、バクーでは一緒に暮らすことができる。
二人で色々話し合って、悩んだ結果、私は妻と一緒に住むことを選択した。

モザンビークで取り組んでいる事業も重要。
家族と一緒に生活することも重要。
今回は、後者を選択した。

では、モザンビークでの事業については、どうするのか。
従業員たちと会話した結果、彼らなりに継続していきたいということだった。
ということで、その事業の継承に、まさに今取り組んでいる。

私が会社を作り、彼らと一緒につくってきたものを、今度は、彼らが自分たちで運営していく。
これは彼らにとって大きなチャレンジであり、転機。

美しいナマーシャの山からの景色、もうすぐこの景色ともお別れ。Beautiful view from the mountain in Namaacha.

何よりも大切なのは、従業員たちが、私がいなくても「自分たちで」何かをつくりあげて、それを持続的に運営できるようになること。
その事業を通じて、地域に貢献し、そこから自分たちが豊かになること。
形は変わろうとも、カフェでも農業でも、またそれ以外の活動でも、地域の人や訪れる人に価値を与える仕事をしていってもらいたいと思っている。
仲間をつくり、地域に愛される場所をつくってほしい。
そんな想い。
そんな新しいカフェ、新しい農園のいいスタートを切れるように、残りの期間、一緒に取り組んで行く。

たった今も、壁に直面している。
私もお金や知見を提供することを通じてサポートすることはできるが、
できる限り彼らが自分たちで対処し、超えていくことにチャレンジしている。

そして私は、アゼルバイジャンに行ったら、何をするのか。
それは今もいろいろ考え中。
新しい取り組みも進行中。
新しくチャレンジしたいことも、妄想中。

モザンビークとは全く異なるバクーの街並。Cityscape of Baku, completely different from that of Mozambique.

あと1ヶ月ちょいほど。
まず今は、モザンビークでやるべきことを全て、しっかりやる。
悔いの残らないように、従業員たちのために、やるべきことをやる。
事業の引継ぎに対するプレッシャーやドキドキと、新しいチャレンジに対するワクワクが混在している、そんな今。

In my last 2 post, I updated you on my life in Mozambique.
And today, I'm going to talk about the future.

After all these time talking about my initiatives and future prospects in Mozambique, it feels a bit awkward to bring this up, but here we go:
I will be leaving Mozambique before the end of the year…!

The reason is to live with my wife.
My wife started working in Baku, Azerbaijan in June.
So I have decided to move to Baku, too.
We have been seeking our chance to live together in Mozambique, but my wife couldn’t find the job.
The reason I came to Mozambique in the first place was to live with my wife.
When I started farming in Namaacha and my wife finished her assignment in Mozambique, I chose to stay in Mozambique.
As I have written before, my wife's following assignment was in Myanmar, and I was not able to accompany her in the first place.
After finishing her assignment in Myanmar, she stayed with me in Mozambique for six months while she looked for a job here, which did not work out, then her Baku position popped up.

This was no easy choice.
My original plan was to establish a permaculture/farming project, producing not only vegetables but also fruits and coffee in the future.
While living in Mozambique on my own was exciting, but it was lonely at the same time.
After a lot of pondering and discussion between the two of us, we chose to live together in Baku.

The project that I am working on in Mozambique is important.
Living with my family is also important.
This time, I chose the latter.

So what am I going to do with my business in Mozambique?
After discussing with my staff, they expressed their commitment in continuing the business on their own.
So now, I am working on the succession of the business.

I have created the company and built the business from scratch with my staff, and now they are going to run it themselves.
This is a big challenge and a turning point for them.

What is most important is that the employees would organise the business “on their own” and run it sustainably without me.
Through their business, I hope they can contribute to the local community which in return enriches them.
I want them to do valuable work for the visitors and locals, whether in the form of a café, a farm or any other activities.
I want them to make good friends and create a place that is loved by the community. That is my wish.
For that, we will work together for the rest my time here to give the new café and farm a good start.

Even now, we are facing some problems.
I can support my staff in different ways, but rather I am encouraging them to think and challenge these problems by themselves as much as possible.

And what will I be doing in Azerbaijan?
I’m thinking about various things...
There are some initiatives that are already underway.
I am also eager for new challenges.

I have a little over a month left in Mozambique.
I will be doing everything I can while I am here, for my staff and their future business.
I am now in a midst of feeling a mixture of pressure and excitement about the succession of my business and beginning of my new challenges.

農園プロジェクト 2024年9月25日 / Farm Project 26 Sept. 2024 by Tomoaki Hashimoto

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以前ブログで書いた通り、2023年後半に、やっと川から水を引くことができて、その後は土を準備するためにコンポストを作ったり、畝を準備したりした。
2024年の年始に日本に一時帰国して、その後ミャンマー駐在を終えた妻と一緒にモザンビークに戻り、畑での作業が本格的にスタートした。

真夏のモザンビークでの畝作り。Making vegetable beds in a hot Mozambican summer day.

妻も一緒に畑仕事を手伝ってくれて、モザンビーク人の従業員と、畝を作り、種を植えていった。
その時期のモザンビークは夏真っ盛り。
南半球なので日本とは季節が逆。
そしてモザンビークの夏は雨季。

土の状況や、気温、日照時間、雨など、さまざまな条件からどんなふうに野菜が育つのか、やってみないとわからないので、まずはいろいろと植えてみた。
ルッコラ、空芯菜、スイスチャード、パクチー、ディル、ニンジン、大根、かぶ、ズッキーニ、ごま、アスパラ、きゅうり、小松菜、ニンニク、アーティチョーク、九条ネギなどなど。

そのうち、うまくいったのは、
ルッコラ、空芯菜、スイスチャード、パクチー、ディル、大根、かぶ、小松菜、九条ネギ。
アスパラとアーティチョークは、食べれるものになるまでにはまだ時間が必要で、今もすくすくと成長中。ニンニクももう少し。

まあまあうまくいったのは、ニンジン、ズッキーニ、きゅうり。

全然ダメだっだのはごま。

こうやって書き出してみると、結構うまくいっている。
すべて無農薬・無肥料。
もともとヤギが育てられていた場所で、土もそれなりに肥沃なのだと思う。
その土を起こし、コンポスト(堆肥)を混ぜて、畝に仕立て、草マルチをしてタネや苗を植えただけ。
日本の自然農法の知見をベースとして、あとは自己流。

以前の投稿で紹介したが、知人のヤギ農家さんの土地を一部使わせてもらって、農園にしている。
土地を所有したりする面倒や、費用もかからず、本当にありがたいご縁。
また、ヤギ農家さんから出る動物の糞や、枯れ草が常に手に入る。
これらを活用してコンポストにしたり、マルチにしたりしている。

 

今年生まれた子やぎちゃんと、見守るママ。A newborn baby goat and her mother.

 

そして野菜は、一部は販売することができた。
ヤギ農家さんがチーズを卸している、マプトの有名レストランが、ルッコラとディル、パクチーを買ってくれた。
またモザンビークで働く日本人の方々に向けても、ルッコラ、パクチー、大根、かぶ、小松菜、九条ネギ、チャードなどを販売した。

大根やかぶといって日本人が好む野菜は、モザンビークでは需要があまり無いので(中国人スーパーに行けば売ってるけど)、直接日本人の方々に販売・配達した。

8ヶ月ほどやってみて、野菜を育てることは、思った以上にうまくいった。
一方思った以上に大変だったのは、収穫、収穫してからお客様に届けるまでの保管や梱包、商品をどのように届けるか、そしてこのビジネス全体がいかに収益を作り出すのか。

 

配達日の車の中。My backseat on the day of vegetable delivery.

 

モザンビークは、農業が盛んな国。
私が住んでいる田舎の方でも、いろいろな場所で野菜が育てられ、道端でも売っている。
そして安い。売っている人たちが、ちゃんと生計を立てられているのかはわからない。
トマト、ピーマン、玉ねぎ、きゅうり(太いやつ)、キャベツ、ニンジン、かぼちゃ、ニンニク、などなどは大体いつだって手に入る。
もちろん隣国の南アフリカからの輸入品もたくさんある。

私が作った野菜は、モザンビークでは育てていない野菜が中心で、そこで差別化を図ることはできる。
いい野菜をつくればレストランも買ってくれる。
ただし、まとまった量での、安定した生産が必要なので、今の畑の規模をさらに拡大する必要があるし、技術をもっと上げていく必要がある。
また、もっと効率的にお野菜を届けられるように、収穫から保管・梱包・配送までの仕組みをよりしっかりと作る必要がある。

それでも、初めての自分が立ち上げた農業ビジネスで、レストランや個人にちゃんと野菜を販売することができたのは、大きな成果。
何より、多くの人に野菜が美味しいと言ってもらえたことは、嬉しかった。

自分の生活においても、自分の畑の野菜を普段から食べるようになり、外から野菜を買うことが殆どなくなったし、友人たちにも野菜をプレゼントすることもできるようになった。
畑を通じて、とても豊かな生活が手に入った。

私の農園プロジェクトの中には、畑だけではなく、フルーツやコーヒーの育つ森林も作る計画も入っている。
これは昨年勉強したパーマカルチャーからインスパイアされたもの。
ただし時間がかかるもので、辛抱強く取り組む必要がある。
コーヒーについては別途、ゆっくり書きます。

そしてこの農園プロジェクト、今後どこに向かうのか。
これについても、私の今後の人生プランも併せて、後日書きます。

今年に入ってようやく、本格的に始まったモザンビークの田舎町での私の畑が、思った以上の成果を挙げたことを祝して、本日の投稿は終わります。

早朝に農園に来ると、こんなご褒美が。A little treat in showing up early to the farm.

My last blog was in late 2023, where I wrote about how I was finally able to draw water from the river.
Since then, I have been working on preparing the soil, which includes making compost. Once the compost was ready, we started making vegetable beds.

At the beginning of 2024, after visiting Japan for the new years, I returned to Mozambique with my wife, who had just finished her assignment in Myanmar.
From there, our work in the farm started in full swing.

My wife helped me work the fields with me, along with my Mozambican staff, and we made vegetable beds for sowing our seeds.
It was the height of summer in Mozambique; the seasons are opposite to those in Japan since we are in the southern hemisphere.
And summer in Mozambique is the rainy season.

We didn't know how the vegetables would grow under the conditions here, such as soil conditions, temperature, hours of sunlight and rain, so we just gave it a try.
We planted a variety of vegetables, namely arugula, Chinese water spinach, Swiss chard, coriander , dill, carrots, daikon radish, turnips, courgette, sesame, asparagus, cucumber, Japanese mustard spinach, garlic, artichokes, Japanese leeks, etc.

Of these, those came out well were arugula, Chinese water spinach, Swiss chard, coriander, dill, daikon radish, turnip, Japanese mustard spinach and Japanese leeks.
The asparagus and artichokes need more time for the harvest and are growing well at the moment. Garlic is almost ready.
The ones that did fairly well were carrots, courgette and cucumbers.
Sesame didn’t grow well.

When I look back like this, overall we had a good turnout.
Everything is pesticide and fertiliser free.
The area was originally used for raising goats, so the soil may have been very fertile already.
Our method is simple, we till the soil, mix with compost, made vegetable beds, covered with grass mulch and planted seeds/seedlings.
The method is based on the knowledge of Japanese natural farming + some improvisations.

As mentioned in my previous post, we are using a part of the land that is used by my friend goat dairy farmer.
It is such a precious opportunity for me, as I don’t have to go through the hassle and expense of owning land in Mozambique.
In addition, manure and dried grass cuttings from the dairy farm is always available. These are used to make compost and for mulch.

We even managed to sell some of the vegetables we produced.
A well-known restaurant in Maputo, which purchases cheese from the dairy, agreed to purchase arugula, dill and coriander from my farm.
Daikon radish, turnips, Japanese mustard spinach, Japanese leeks and Swiss chard were also sold to Japanese people working in Mozambique.

Vegetables such as daikon radish and turnip, which are mostly preferred by the Japanese and not so much in Mozambique in general, were sold and delivered directly to the Japanese people.

Eight months of growing vegetables went quite well to my surprise.
On the other hand, harvesting, storage and packaging, transportation, and creating profit form this whole business were the challenging bits.

Mozambique is a country with lots of agricultural activities and farmers.
In the countryside, vegetables are grown in many small/large scale farms and sold on the roadside.
And they are quite cheap.
I’m not sure if the farmers are making a living from their sales…
Tomato, pepper, onion, cucumber, cabbage, carrot, pumpkin, garlic, etc. are common.
In addition, we have plenty of imported stuff from neighbouring South Africa.

Most of the vegetables from my farm are not commonly grown in Mozambique, which gives me an edge in the market.
In addition, if I can produce good quality vegetables, restaurants could be interested in buying.
But for the business to be successful, I need to increase my production while maintaining the quality.
We also need to establish a better system from harvesting, storage, packaging and delivery, so that we can harvest and deliver fresh vegetables efficiently to the customers.

Nevertheless, I am proud to be able to sell vegetables to restaurants and individuals in the first agricultural business I set up.
Nothing is happier to hear people telling me that they enjoyed eating my vegetables.

In my everyday life, I eat the vegetables from my own farm and I hardly buy any vegetables from the shops anymore.
I can also share vegetables as gifts to my friends.
My life became very abundant with the farm.

My farm project includes plans to create not only vegetable beds, but also a forest where fruits and coffee can be grown.
This part is inspired by the permaculture design method, which I studied last year.
This bit will require much more time and needs to be worked on patiently.
I would like to write about growing and producing coffee in a different post.

And where is this whole farm project going from here?
I will write about this later as well with my future life plan.

For today, I would like to close this post by celebrating my unexpected achievements from my little farm in rural Mozambique.

お久しぶりの・・・近況報告 / My life update by Tomoaki Hashimoto

(Scroll down to read in English)
1年ぶりのブログ更新。
モザンビークに来たのが2021年6月。
モザンビーク在住3年になった。
早いもんだ。。

前回のブログが2023年9月。
そこからの振り返りも兼ねて、近況を。

2023年後半は、モザンビークの田舎での農園とカフェの開業に向けていろいろな準備をした。
今日はそのカフェについて。

場所の整備、テーブルや椅子の調達、食器類の調達、看板デザイン考案と設置、メニューの考案、などなど。。。カフェで働いたことさえない私が、カフェなんて行ったこともないモザンビークのスタッフたちと、カフェなんてない田舎町で、カフェをつくりあげた。

カフェなんてないけど、素敵な田舎町なので、カフェ作ってみたらどうなるんだろうという、そんな思いから始まって。

物の調達も、設置も、大体がDIY。Almost all DIY, procuring and installing.

キッチン作業台、夜な夜なDIY。DIY work table for the kitchen.

店舗を借りたり、ゼロからつくったりするのは大変だしコストもかかるので、自分が賃貸で住んでいる家のオーナーにも交渉し、家のキッチンと庭をカフェのスペースとして使う決意をして、家でカフェをオープンした。
と言うか、庭のスペースがいい感じで、これを有効活用して、かつ自分がやってみたかったカフェをやろうと決めた感じ。

完璧主義の自分と睨み合いながら、まずはダサくても、不完全でもいいからオープンすることを目指し(当時の感情とかあまり覚えてないけど・・)、なんとか2023年12月にカフェをオープン!

オープニングレセプションもちゃっかりやっちゃって。
現地の風習に則り、招待状をつくり、カフェをオープンするにあたりお世話になった、役所の方、ご近所の方、地域の長老の方をご招待した。
みんなオシャレして来てくれて。

オープニングレセプション。和み。Peaceful afternoon when we held our reception party.

緊張したけど、みんなご飯を美味しいと言ってくれた。
自分にとっても、スタッフたちにとっても、記念すべき日。
ゲストが帰ったあと、みんなで乾杯。

みんなで打ち上げ。スタッフが作るご飯はいつも美味しいが、この日は格別だった

カフェの名前はNdzute Coffee。
スタッフと一緒にいくつか候補を出しながら決めた。
Ndzuteはこの地域で使われる言語の言葉で、日陰という意味。
カフェのメインスペースである庭には立派なモモタマナの木があり、いい日陰を作ってくれる。
その日陰の下でコーヒーをいただく。そんなイメージと結びついて、この名前にした。
日陰カフェ。木陰カフェ、と言った感じ。
いい名前だなと思って気に入っている。
ンから始まる、アフリカ特有の言葉ってのもいい。
カフェのロゴも木。

 

看板は外注。無事にできて

 

メニューはコーヒーとお茶、フレッシュジュース、コーラとかのジュース類、ビール、ワイン。
食事は基本はモザンビーク人の従業員がつくるモザンビークの郷土料理に加え、私が焼くパン(サワードウ)のサンドイッチや朝食プレート、あとはちょっとアジアンテーストをいれたものも。

コーヒーは基本エスプレッソベース。
マシンは偶然、イタリアGrimac製の小さなマシンを知人から中古で売ってもらえた。
モザンビークではまともなマシンが買えないので、本当にラッキー。
中古電動グラインダーも付いてきた。

 

古いがぜんぜん使えるマシン

 

コーヒー豆はモザンビーク国産の生豆を売っている人を発見し、それを調達するか、自分の庭で採った豆を焙煎している。
そう、我が家の庭にはコーヒーの木があるのです。
これについてはまた別の機会に書きたい。

で、オープンしてみて、実際どんな風か。

なかなか地元のお客さんは来ない。
まず、外食文化があまりない。
首都マプトでは、外食はけっこう定着しているが、私のいる田舎町ではそうはいかない。
所得がそもそも高くないだろうし、家で作って食べるのが基本。
外で飲み食いするとしても、ビールやパンなど、少しのお金でも買えるものがメイン。
うちのカフェにも、ビールだけ飲みに来る人は結構いる。

外食文化に加え、コーヒー文化もない。
コーヒーを飲む文化がない。
マプトでは富裕層と外国人たちコーヒー需要があるが、田舎町ではコーヒーの需要が無い。
コーヒーを飲む外国人や比較的裕福なモザンビーク人は、休日などにこの田舎町に来てくれない限り、基本的にはいない。

なので、平日は閑古鳥が鳴いている日が多い。
週末はマプトからのお客さんや、私の知人が遊びに来てくれることがある。
来てくれたお客様は、美味しかった、素敵な場所、と言ってくれる。
こんなに嬉しいことはない。
きっと、いい仕事はできている。
そしてビジネスとしては赤字。

マーケットの小さい、カフェ文化の無い田舎町で、どうやって持続可能なカフェを運営するか。
私一人でなく、モザンビーク人の従業員たちと一緒にこの課題にいま立ち向かっている。
従業員たちは、新しい挑戦と、それに伴う労働に、時には狼狽えつつも、何か価値をつくり出そうと奮闘している。

私たちのチャレンジは、地域やお客様に価値のある体験を残すことができるビジネス・場所をつくりだすこと。
この場に関わる人たちが経済的な意味だけでなく、豊かになること。

時間はかかるかもしれないが、チャレンジし甲斐のあるプロジェクト。
さて、こっからどんな未来につながるかな。

カフェ(兼我が家)の前の通り

Its been a year since my last blog update…!
I first arrived in Mozambique in June 2021.
Meaning, that I have lived in Mozambique for three years now.
Time flies.

Here a little look back at what's been going on since my last blog in September 2023.

In the second half of 2023, I made preparations to open a farm and a café in the Mozambican countryside. Today I want to write about the café.

I have been preparing the location, procuring things lie tables, chairs, and tableware, designing and installing the signage, creating the menu, etc...
I, who had never worked in a café before, together with my local staff, who had never been to a café before, were working on opening a café in a little rural town, which did’t even have one café.

It started with the thought: ‘There is not even one café, but it's a lovely town, so what would happen if we opened a café?

Finding and renting a place from scratch seemed difficult and costly, so I negotiated with the owner of the house I rent and made the decision to use the kitchen and garden of the house as a café space.
The thing is, the garden space was nice and I thought I could make good use of it to open the café.

Often times, facing off with my perfectionist-self, I just tried to focus on opening the café, however lame or imperfect it may come out (I can't even recall what kind of emotions I was having at the time now though), and managed to open the café in December of 2023!

We even organised an opening reception party.
In accordance with the local custom, we made invitations and invited the staff from the municipal office, neighbours, and the community elder who all had helped us with the opening of the café.
Despite my worries, everyone came to the party dressed up.

I was quite nervous, but everyone said the food was delicious.
It became such a memorable day for me and my staff.
After the guests left, we all had a toast.

The name of the café is Ndzute Coffee.
Ndzute is a word in the language spoken in the area, meaning “shade.”
The café's main space, the garden, has a magnificent Indian Almond tree that provides good shade.
Enjoying a cup of coffee under the tree shade… the name was derived from such image.
I really like the name, that it reflects the atmosphere well and the word is coming from the local language.
The logo of the café is a big tree.

Our menu includes coffee and tea, fresh juices, soft drinks, beer and wine.
The food is basically Mozambican local food prepared by Mozambican staff, plus my original sourdough sandwiches and breakfast plates, and some Asian inspired plates.

The coffee is basically espresso-based.
I was very lucky to find a second-hand Grimac machine, which was offered by my friend.
It is very difficult to even find a decent espresso machine in Mozambique.
It also came with an electric grinder.

For coffee beans, we basically use Mozambican beans.
I found someone selling Mozambique-grown green coffee beans.
Either we buy that or we use coffee beans harvested in the backyard.
I roast the beans myself.
And yes, we have coffee trees in the garden, which I will write about maybe another time.

So now, how has it been since the opening of the café?

It’s been quite difficult to get local customers to come.
First of all, here in Namaacha, people don’t normally eat out.
In the capital, Maputo, people do eat out quite normally, but its not the same here in the rural town.
General income is not high to begin with, and people basically cook and eat at home.
Even if they do eat and drink outside, it is mainly beer, bread and other things that can be bought with little money.
There are people who come to my café just to drink beer.

In addition, there is no coffee culture.
People don’t drink coffee.
In Maputo, there is a certain demand for coffee, from wealthy people and foreigners, but in the countryside there is no demand.
We basically have not much demand for coffee unless such wealthy Mozambicans or foreigners come to this rural town.

So we struggled to get customers on the weekdays.
On weekends, customers, including people I know, come to visit from Maputo.
Many customers who came to the café, told me how good the food was and how nice the place is.
I couldn't be happier.
I am sure we are doing a good job.
But as a business, we are not making a profit.

How do you run a sustainable café in a rural town with a small market and no café culture?
I am facing this challenge now, together with my Mozambican staff.
The employees are struggling to create a “value” in this café business, facing new challenges and hard work.

Our challenge is to create a business and place that can serve the community and customers a valuable experience.
I hope this could enrich the people involved in this venture, not just in an economic sense.

It may take time, but the project is worth the challenge.
Let's see what the future will lead to from here.

農園プロジェクト 2023年9月16日 / Farm Project 16 Sept. 2023 by Tomoaki Hashimoto

力仕事。Heavy lifting.

(Scroll down to read in English)
前回の投稿から2週間以上が経ちましたが・・。
その間に農園の方では、水を川から引くことには成功しました!
以前書いた水漏れ事象から数々の改良を重ね、丘を登った上のタンクまで、それなりの圧力で水が届けることができました。
そして、実際にはまだ複数箇所で水漏れしています。涙
丘の上のタンクは、タンクといっても、中古でもらったもので、蓋もない、なんというか、ちっちゃいプールみたいなもんです。
見た目はイマイチですが、水の貯蔵としては十分の機能です。
まずはここからコンポストに水を与えたり、フェンス設置に必要なセメント作りに水を使ったりします。

さらに今週は一気にフェンス設置まで動いています。
臨時で若いお助け隊を2人雇って、穴を開けた場所に木材や金属のポストを立て(これもリユーズ品多数)、コンクリで固定します。
フェンスは牛や馬の侵入を防ぐためのもので、ポストの長さや太さもバラバラ。
そこにワイヤーを貼るだけの極めてシンプルなものです。
結構広い敷地で、しかもコンクリを大量に練らないといけないので、そこまで砂と石、セメント、水を運ぶのがかなり大変。
力持ちの若者たちに助けられました。
自分もバケツに入った石を肩に乗せて運んで、いい感じに上半身のトレーニングになりました。

フェンスができて、水が確保できれば、ようやくついに植物を植えるフェーズに移っていけると思います。
苗木として既にコーヒー、ジャックフルーツ、レモン、グレープフルーツ、ブンタン、ザクロがすくすくと育っていて、また将来的に原生林に近い森をつくりたくて、モザンビーク周辺原産の木々、マフレイラやマホガニーも育てています。
他にももっと多様な木々を育てたいですが、まだ種類の特定ができておらず、引き続き現地調査が必要です。

現地調査といえば、たまに自然の森に潜入しています。
農園から車で5分ほどのところに山があり、その山腹に森があります。
そこには巨木がいくつもあり、鬱蒼としています。
周りは比較的開けた草原や農家などが多いので、明らかに雰囲気・環境が異なります。
この原生の森を参考に、新たな森を人工的につくってみたいと思っています。
そのためには木々の種類の特定が必要ですが、なかなか簡単ではありません。

木々の種類の特定において重要なのは葉っぱの形や特徴を見ることですが、
巨木の場合、葉っぱの場所が高すぎて採取できない。
若い木々もいっぱいありますが、巨木と同じ木なのかもわからない。
そんなかんだで、木の周りをウロウロしながら、毒蛇がいないか注意しながら、
地道に調査していこうと思います。
なんでも訓練ですから、めげずに森に通いたいと思います。

森に行くと、思いがけない出会いもあります。
先日森に行った時には、幸いにもサイチョウ(ライオンキングのザズー)のつがいに出会ました。
そんな森を、何年かかるかわからないし、なんなら自分が死んだ後にできあがるものかもしれないけど、
人間にとっても動物にとっても無くてはならない森を、
つくり出すきっかけになれたら、嬉しいなと思います。
まだまだ長ーい旅路は続きます・・。

ようやく水が引けた。Finally succeeded in pumping water from nearby river.

さまざまな形のポストをフェンス用に立てていく。Various shaped fence posts were used.

美しい森の大木、なんの木だろう。A beautiful giant in the forest, which I don’t know the name of.

It has been more than two weeks since my last post...
In the meantime, we succeeded in drawing water from the river!
After numerous improvements since the leakage, we have been able to deliver water at a reasonable pressure to the tank uphill.
In fact, we still have some leakages in several places…
The tank is second-hand, is half open on the top side, which makes it kind of like a small pool.
It doesn't look fancy, but it does the job well enough to store water for our initial requirements.
We will be using the water for the compost and to make the concrete needed to set up the fence.

This week, we were able to move on to the fence installation phase.
We hired part time workers to install wooden and metal posts, which are also mostly reused items, in the holes and fix them with concrete.
The purpose of the fence is to prevent cattle and horses from entering our farm.
The posts are of varying shapes and sizes.
We will put wires on them later, a very simple fence indeed.
It is quite a large site and requires lots of concrete to be made.
The difficult part was transporting all the necessary sand, stones, cement and water so that we can make concrete.
The 3 young men, including my employee, worked hard to make this happen.
I also carried buckets of stones on my shoulders, which was indeed a good workout.

Once the fence is built and water is secured, we can finally move on to the planting phase.
We already have coffee, jackfruit, lemon, grapefruit, shaddock and pomegranate growing nicely as saplings.
We are also growing Mafurreira and Pod Mahogany, which are trees native to the area, in the hope of creating a in the future.
We would like to grow a greater variety of trees, but we have not yet identified the species and requires further field observation.

We occasionally conduct observations in the natural forest nearby.
There is a mountain about five minutes' drive from the farm, which has a forest patch. The forest is dense with various trees and shrubs, and there also are a number of big trees.
While the majority of the land around the neighbourhood is relatively open with grasslands or farms, the forest patch has completely different atmosphere and environment.
I would like to create a new forest, using this natural forest as a reference.
We need to identify the tree species, which may not be so easy.
An important part of identifying tree species is looking at the shape and characteristics of the leaves, but in the case of giant trees, the leaves are too high to be collected.
There are lots of young trees, but we don't even know if they are the same trees as the big ones.
We will continue or observation, patiently walking around the trees, while watching out not to be stung by poisonous snakes..!
I’m sure there is lots of things I can learn as I go along.

When we go to the forest, we also have unexpected encounters.
During our last visit, we were fortunate enough to meet a pair of hornbills.
I don't know how many years it will take to create such a forest, and it may even take longer than my life time, but I would be happy if I could be a catalyst for the creation of a forest that supports both human and animal lives.
Our long journey continues...

農園プロジェクト 2023年8月26日 / Farm Project 26 Aug. 2023 by Tomoaki Hashimoto

農地周辺の景色 / A view around the farm site

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7月末〜8月頭と2週間ほど日本帰国しました。贅沢にも今年2度目の帰国。
元々決まっていた予定もあり2週間はあっという間・・・でしたが、充実した時間を過ごし、仕事で使う物資も色々と日本でゲットしてモザンビークにまた戻ってきました。

正直なことを言えば、なんでわざわざモザンビークに戻るんだ自分・・・と思ったりもする。
日本の家族や友達に会えないのは寂しいし、モザンビークの生活も慣れたとはいえ不便やストレスも多いし、会社経営だってチャレンジばかり。
そんな状況から逃げたくもなりますが、よくよく考えてみれば自分なりに考えて選択した結果今ここにいるんですよね。
日本にいたってストレスやチャレンジはあるわけだし。
何よりナマーシャの素晴らしい自然環境の中で、ずっとやりたかった農業をやってみようと自分で決めたことなので、素敵な農園をつくために引き続き突き進んでいきます。

私が日本に行っている間は、会社の従業員ががんばって仕事をしてくれていました。
現在給水システムの確立に取り組んでいますが、近くの川から水を引くためのパイプを地面に埋め込む大変な作業が完了していました。頼もしい!
私が帰ってきて、改めてポンプを川沿いに設置し(ずっと置いておくと盗まれてしまうため)、パイプを繋ぎ、試運転してみました。
50mくらいかな、少し丘を登るパイプの先端から水が出るのを待つも、水が出ない。
パイプ沿を戻って歩いてみると数ヵ所で水漏れ発見!
実は中古のパイプを再利用していて、状態が悪いところを切って繋ぎ直したり、穴が空いているところにゴムをあてて縛って塞いだりしていましたが、それら箇所から水漏れしていました。
見事に失敗!重力や水圧の力を思い知る、いい機会になりました。
みんなで相談して、水漏れを防ぐ方法を考案。
失敗から次のステップへ進むところです。
これでうまくいったら水をゲットできます。

私が不在の間、従業員がコンポストの方も何度かひっくり返してくれた様ですが、こちらはあまり分解が進んでいない様子。
色々分析してみると、おそらく水分が足りていないのではという結論に。
なのでまずは水を効率的に運べる様にして、そこからコンポストにも水分補給してあげます。
こんな感じで前進中です。

たった今モザンビークは冬の乾季から春に向かっている途中。
毎日が晴れで、雨が振ったらできない作業ができる貴重な時間でもあります。
給水システムとコンポストに加えて、農園の敷地のフェンス張りもやります。
そうしないと近隣農家さんの牛さん馬さんが放牧中に私が植えた美味しい植物食べちゃうので。。。
これも労力がかかる作業なので、早く始めたいところ。

一方で私の庭の方では春夏野菜に向けた準備も進めていかねば。
野菜、ハーブ、日本で買ってきた種も。楽しみだ〜。
欲張れば欲張るほど種を植える作業は結構大変な作業なので、しっかりプランを立てて楽しく取り組んでいきたいと思います。

ここが最初に何かを植える場所になりそう / This is the first location to be planted

コンポストの分解を促進させるには水分が不可欠 / The decomposition of compost requires water

I was back in Japan for two weeks from the end of July to the beginning of August. This was the second time this year that I had the luxury of returning to Japan.
The two weeks went by very quickly... but I spent quality time with my family and friends and came back again to Mozambique with suitcase full of supplies from Japan.

To be honest, I sometimes wonder why I am doing what I am doing now in Mozambique...
I miss my family and friends in Japan, life in Mozambique could be quite inconvenient and stressful, and running a company here is full of challenges.
Such situations tempt me to quitting everything, but if you think about it, I made the choice to do this myself in the first place.
Even if I were in Japan, there would be stresses and challenges.
Above all, I was strongly attracted to the environment in Namaacha and I made a choice on my own to establish my farm, which is something I have always wanted to do.
So I will continue working toward creating a beautiful farm!

While I was in Japan, the company employees worked very hard on my behalf.
We are currently trying to establish a water supply system, and the work of laying pipes into the ground for bringing water from a nearby river has been successfully completed.
When I returned, we put the pump alongside the river, connected the pipes, and gave it a trial run.
The entire pipe is about 50 metres I think, which runs uphill. We waited for the water to come out at the end of the pipe, but no water came out.
We soon found out that there are leaks in several places along the pipe!
In fact, the pipes are second-hand and had several places that needed to be cut/reconnected. For those places, we wrapped rubber around and tied them tightly with some wire, but that was not enough and water was leaking from those places.
A big failure!
We gained a great lesson about the power of gravity and water pressure.
From there, we discussed and came up with another way to prevent water leakage.
We are about to move on to the next step.
If this works, we will get access to water!

While I was away, my employee has also worked on turning the compost over a few times but the compost doesn't seem to be decomposing very well.
It seems that there is not enough water in the compost.
So after completing the water system successfully, we will work on the compost with more water this time.
This is where we are now on our progress for the farm.

Right now, Mozambique is on its transition from dry winter to spring.
Every day is sunny and this is a precious time when we can work on things that would be difficult if it rains.
In addition to the water supply system and composting, we also need to put fence around the farm site. Otherwise the neighbouring farmer's cows and horses may graze the plants I am planting.
This is also a labour-intensive work, so I want to get started as soon as possible.

Meanwhile in my own garden, I am preparing for planting spring and summer vegetables.
I'm looking forward to planting vegetables, herbs and some seeds I bought in Japan.
The more variety of plants means more work for actually planting them, so I need a good seeding plan!

どんなところで農業するの? / What's around my farm? by Tomoaki Hashimoto

ルボンボ山と夕焼け。The Lebombo Mountain and sunset.

(Scroll down to read in English)
前回のブログで農園プロジェクトについて少し書きましたが、実際にどんなところで農園を作ろうとしているのか、より具体的に紹介します。

私の住んでいるナマーシャは標高600m前後の場所にあります。
町の西側にルボンボ山脈があり、その山脈は一番高いところでも800m強。
ちなみにこの山脈に沿って国境があり、南側にエスワティニ、北側に南アフリカと、3国の国境が交わる地点が山の上にあります。

この標高と、西側の山から入る冷たい空気により、ナマーシャは海沿いにある首都マプトに比べても気候が涼しく過ごしやすい気候が特徴です。
現在真冬のモザンビークですが、ナマーシャでの最低気温は大体13℃です。
朝晩さむーっとなっていますが、東京に比べたら暖かいですね。

ナマーシャ界隈の水源は、隣国エスワティニにその上流があるムブルジ川。
街の中にはいくつかのダムがあり、この水を街中で活用しています。
井戸を掘って地下水を飲料水として生産する工場もいくつかあります。
またナマーシャでの観光と言えば、街の入り口付近にある滝が有名。
水には恵まれた町だと思います。

そんな今年の2月、記録的な大雨がありました。
ナマーシャと、それよりも標高の低い東のボアネの町が洪水・冠水の被害に見舞われ、たくさんの農家さんもこの大雨によって被害を受けました。
こう言った異常気象にも、自然を駆使したデザインにより耐えうる農園(環境)をつくる、そこにもパーマカルチャーがさまざまなヒントをくれます。

実際に私が今開墾している農地には傾斜があります。
その傾斜を利用して、水をうまく誘導したり貯蔵したりすることが可能です。
植物を育てるにあたって水の確保は最も重要な要素のひとつ。
植物を育てるのに水が必要ですが、その後植物が増えることによって、土壌に確保できる水の量も増えます。
私の農園でも、ナマーシャ市の水道には接続せずに、近くの川や湧き水、また雨水を利用することを考えています。
パーマカルチャーデザインを通じて、雨水をただ農園で使用するだけでなく、将来にわたって地域全体が活用できる豊かな帯水層をつくり出したいと思っています。

その他の特徴として、農地の周辺には多数の大きな岩・石があります。
表面は土でもその下に大きな岩があるかもしれず、そこは掘ってみないとわかりません。
これらの岩・石が農業や水の貯蔵能力にどんな影響を与えるのか。
これもやってみないとわかりません。

先日、最初の開墾作業は完了しました。
使える全体の面積のうち、1/3程度でしょうか。
まだまだ手を入れることが多いですが、コツコツと進めていきます。
直近の課題としては①水源の確保、そして②コンポスト作成、です。
またそれらについても進捗をシェアしていきますね。
ではでは。

開墾作業、頼もしい助っ人と一緒に仕事。Clearing grass and bush with some helping hands.

開墾後の農地。After clearing the farmland.

I wrote a bit about my farm project in my last blog, but today I would like to share some details about the location of my farm.

The city of Namaacha is at an altitude of around 600 metres. To the west of the city, we have the Lebombo mountain range, which is just over 800 m at its highest point. There is a border along this mountain range, with Eswatini to the south and South Africa to the north, and the point where the three borders meet is on top of the mountain.

Due to this altitude and the cool air coming in from the mountains, Namaacha has a cooler climate than the coastal capital city of Maputo. At the moment, it is mid-winter in Mozambique and the lowest temperature in Namaacha is around 13°C. It is chilly in the mornings and evenings, but it surely is warmer than the winter in Tokyo.

Namaacha is inside the Mburuzi River watershed, which has its source in neighbouring Eswatini. There are several dams in Namaacha and the water is used throughout the city. There are several factories that dig wells and produce groundwater as drinking water. Namaacha has a big waterfall near the entrance to the city, which is the main tourist attraction. I guess this city is blessed with good water supply.

In February this year, there was record-breaking rainfall in the region. Namaacha and the town of Boane in the east, which is at a lower altitude, suffered from flooding, and many farmers were affected. Permaculture design gives us many hints on how to create a farm (environment) that can withstand such extreme weather conditions through creative use of nature.

The farmland I am cultivating now has a gentle slope. The slope can be used to guide and store water. Water supply is one of the most important factors in growing plants. Water is needed to grow plants, but then the more plants you have, the more water you can secure in the soil. My farm is not connected to the municipal water supply of Namaacha, and I am considering using water from nearby rivers and springs, as well as rainwater. Through permaculture design, I want to create a rich aquifer that can be utilised by the surrounding community for generations.

Other features around the farm include the existence of numerous large rocks. Even if you see soil on the surface there might be a large rocks underneath. What impact will these rocks have on the farm and water storage? We shall find out.

Recently, the first clearing work of the farmland was completed. It is probably only about 1/3 of the total area available. There is still a lot of work to be done, but we will keep going one step at a time. The immediate tasks are (1) securing a water source and (2) making compost. I will share the progress on those as well. See you then.

農園プロジェクト / My farm project by Tomoaki Hashimoto

(Scroll down to read in English)
また、だいぶ久しぶりになってしまった。。。
みなさまごきげんよう。

以前、モザンビークでの生活についてブログで紹介しましたが、改めて私の住んでいるナマーシャ(Namaacha)について、そこでの活動についてこれから少しずつシェアしていければと思います。

いきなりですが、私のナマーシャでの活動で達成しようとしているのは:
ナマーシャで、農園をやる。
人々が集い、自然と触れ合い、学び合う場所をつくる。
美味しいものとフレッシュなコーヒーが楽しめるカフェをつくる。

です。

2017-18年、脱サラしたあと、イギリスに入って環境保全の勉強をして、さまざまな出会いや体験をする中で、農業や食に自分は興味があるな〜と思って、その後小笠原に住んでいた時も、幸いなことに家庭菜園ができる環境があって。
そしてその後、モザンビークに来て、ナマーシャという田舎町と出会い、ここ、農業やるには最高な環境じゃん?ってなり、今に至ります。

ナマーシャで農業をやろうと思ったことには2つの農家さんとの出会いが大きく影響していて、私の農園プロジェクトはその内の1つであるマーティンの農家の隣の敷地でやらせてもらうことになっています。
マーティンと奥さんのアドリアナは酪農用のヤギを大切に育て、そのミルクを使ってチーズを手作りしています。
モザンビークには酪農産業がほぼ無く、乳製品はほとんど海外から輸入しています。
そんなモザンビークにおいて、フレッシュで絶品なチーズを作っているのがマーティンです。

そんなマーティンも知人に土地を借りて農家をやっていますが、私が農業に興味があるという話をしたら、地主さんにも伝えた上で、余った敷地を使っていいと言ってくれました。

その土地はかなり広大で、全部含めたら4ヘクタール(4万平方メートル)ぐらいあります。
しかもこれまで農地として使われていた場所では無いので、普通に草木が茂りまくり。
ということで、まずはこの土地を農地として使えるようにする必要があります。

この農園を作り出すうえで、私が使う手法はパーマカルチャーです。
パーマネントなアグリカルチャーで、パーマカルチャー。
今流行っている?持続可能(sustainable)を超えて、永久に再生(regenerate)し続ける環境・ライフスタイルをつくることが目的です。
詳細はネットにも情報がたくさんあるので、自分で調べてください。笑
あとは素晴らしい日本の自然農法の知見も盛り込んでいきたいと思っています。

実践することで、どんなアウトプットになるのか。
どんな作物ができるのか。
どんな生き物に出会うのか。
どんな問題に直面するのか。
ワクワクします。

と同時に、実際にものを育てる段階に辿り着くまでにかなりの作業が必要で、ちょっと気が遠くなりますが、新たに雇った現地従業員と一緒にがんばっていきます!
今後もこのプロジェクトの続きを少しずつシェアしていきます。
ではでは。

農地周辺の茂み。The bush around the project area.

I have blogged about my life in Mozambique before, but I would like to share again a little bit more about where I live, Namaacha, and my activities here.

What I am trying to achieve here in Namaacha is:
Open a farm, create a place where people can gather, get in touch with nature and interact, and create a café where people can enjoy good food and fresh coffee.

In 2017-18, after I left my job in Tokyo, I went to the UK to study environmental conservation, and through the various encounters and experiences I had, I later realised that I was interested in agriculture and food.
Later when I moved to Ogasawara, I was fortunate enough to have an environment where I could grow my own vegetable garden. Then I came to Mozambique and found this beautiful rural town of Namaacha, which I thought was a perfect place for me to demonstrate what I wanted to try. And here I am today.

My decision to farm in Namasha was greatly influenced by meeting two farmers, and my farm project will be on a plot next to one of them, Martin's farmhouse. Martin and his wife, Adriana, carefully raise goats for dairy and make artisanal cheese. Mozambique has virtually no dairy industry and most dairy products are imported from abroad. In such country, Martin makes fresh and delicious cheese.

Martin rents land to raise his goats, and when I told him I was interested in farming, he told the landowner and said I could use the unused portion of the land. The area is quite large, about 4 ha (40,000 sq m) if you include everything. And because it has never been used as farmland before, its overgrown with grass and bushes. So, first of all, I need to make this land usable as farmland.

I will be applying permaculture principles upon developing my farm project.
It's permanent + agri-culture = permaculture. The aim is to create an environment and lifestyle that goes beyond “sustainable” and be “regenerative”. For those of you who are not familiar with the concept, you can find lots of info in the internet so please do your own research lol.
In addition to the permaculture principles, I also want to apply the wonderful Japanese natural farming methods.

What outcome will I achieve? What crops will be produced? What creatures will you encounter? What problems will we face? I am excited to find out.
At the same time, I still have lots of work before reaching the stage of actually growing anything, which is a bit daunting, but we will work hard together with our newly hired local employees!

I will share the progress of this project little by little in the future.
See you soon.

日本帰省:父島 / japan homecoming : chichijima by Tomoaki Hashimoto

I lived in Chichijima, Ogasawara Islands in Japan for 2 years from 2019 to 2021.
It was where I worked for the first time in the environmental conservation field after obtaining my masters in the UK.
First time living in the Ogasawara, first time working with sea turtles… it was a fresh start.
And A LOT happened during I was there.

Yes a lot happened, but I met wonderful people there and now I truly and deeply feel how blessed I am for still having connections with the people.

My wife and I thought hard on where to visit during our stay in Japan this time.
Chichijima was always in our minds.
We sorted out our other priorities and we managed to work out the time necessary to visit the island.
My wife’s mother joined, and we hopped onto the Ogasawara-Maru ferry for a 6-day adventure to Chichijima.

小笠原諸島・父島に住んでいたのは2019年3月~2021年3月の2年間。
イギリスで修士をとって、初めての環境保全関連の仕事。
初めての小笠原生活。初めてのウミガメの仕事・・・初めてずくしだった。
いろいろ、あったな〜笑。

いろいろあったんですが、本当に素敵な人たちとの出会いがあって、今はそのような出会い・繋がりがあることがどれだけ有難いことかを、じんわりと感じている。

今回、日本に帰ってくるにあたって、どこに行こうか大変に悩んで。
妻も一緒に日本にいるレアなタイミング、1ヶ月の期間、ん、小笠原行けるんじゃね?!と、他の予定も踏まえたうえで、おがさわら丸1航海分の時間をつくりだしたのであった。
妻の母も一緒に、船での移動も含めて5泊6日の旅。

We had such a dreamy time in Chichijima.
Its been 2 years since I left the island, and it felt like coming back to my old home after a long time.
For 3 days, we fully enjoyed different activities in the island, both the mountain and the sea.
The water was quite cold though…

結論から言うと、大変楽しい、夢のような日々でした。
2年ぶりの父島、懐かしさを感じ、故郷に帰ってきたような気持ち。
父島での3日間、山も海もフルに楽しんだ。
海水は冷たかったけど・・・。

We met many people while we were here.
We went to different places within the island to have some coffee, watch whales and sunset from the viewpoint, and talked.
I visited my former work place, Ogasawara Marine Center, and met with my old colleagues and sea turtles.

One evening, the owner of the house where I used to live, invited us for dinner.
Just like when I used to live here, friends gathered in the house with home cooked dishes, made with fish and veggies from the island.
We talked, ate, drank and laughed a lot.
My heart was full.

滞在中、沢山の人に会った。
島のいろんなところでお茶をしたり、展望台に行ってクジラや夕陽を見たり、ただ会って会話したり。
私が働いていた海洋センターでも、懐かしいスタッフ、ウミガメたちに会えた。

ある夜、私が住んでいた家の大家さんが食事に招いてくれた。
私が住んでいた時と同じように、仲良しのメンバーが集まって、島の魚、島の野菜、みんなの手料理を囲んで皆んなで大笑いして・・・。
とっても幸せでした。

Fun times fly, and soon it was time for everybody to go home.
It felt like one of those days when I used to live here, and it was a bit sad to realise that I will be going back to Tokyo in a few days.
Maybe, in the future, I could consider living here again…?
Not sure, but hey, never know!
I am so grateful that we could come here this time.

わいわい皆んなで食べて笑って、楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
住んでいた時の延長線上にいるようだけど、あと数日で内地に帰るという切なさが同時に襲ってくる。
あ〜また小笠原住むのもいいよな〜なんて、ちょっと思ったりして・・・。
人生どうなることやら!
でも本当に今回、来ることができて、よかった。

Thank you for all the people who spared time to meet us and giving us such warm memories.
I couldn’t meet everybody, but I’m sure to come back again.
I hope I can visit in the summer season next time when the turtles nest and the sea is warmer.

I have uploaded the photos from this trip.
I’m also pasting the album from the time when I used to live in Chichijima.

今回会えた皆さま、本当に本当に、暖かい時間をありがとうございました。
会えなかった方もいますが、また島には必ず行きます。
次回は夏に、ウミガメの産卵と、ぽかぽかな海を狙って行きたいな。

今回とった写真をアルバムにアップしました。
父島に住んでいた時のアルバムも併せて、見ていってください。

After leaving Chichijima, my next and last destination is Hakuba.

小笠原を離れ、最後は白馬に行きます。